こじゅりんと漢字学習の出会い

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「問題文を読めない」子どもたち

 私が以前、塾の講師をしていて思ったことは、数学の問題なのに「問題文が読めない」子どもたちがいることです。算数の授業中なのに、問題文が読めないので、何を聞かれているのかがわからない。これでは、算数の問題を解く前にすでにつまずいてしまっている状態です。

 また、読める子でも、読むのに時間がかかってしまったり、読むことが苦手で、体力・精神力を読むことにとられてしまうと、問題文に集中できません。

 ひらがな、カタカナ、漢字を迷いなく読みこなせないと、算数や理科など、他の強化でも、問題を解く前に出遅れてしまうのです。そしてそれを放置すると、中学、高校、そして大人になっても文字を読むのが苦手になり、勉強嫌いが続き、自分で本を読んだり、Webを読んで成長するきっかけを得られない人になってしまうかもしれません。

漢字練習をしない息子

 こじゅりんの息子のヨシくんも、漢字が苦手だと分かったのは、小学2年生になったころ。折しも学校が長期の臨時休校となり、長期の自宅学習を余儀なくされた時のことでした。もちろん、先生はいないので、親が先生がわりになり、学校から出された宿題を一緒にやるのですが・・・、

 ヨシくん、漢字練習の宿題の前でボーッとしたまま動きません。私が洗い物の手を止めて聞くと、「疲れちゃったの」と。見ると、宿題のマスはほとんど埋まっていません。数文字書いただけで疲れてしまい、その日は寝てしまう。そんなことが続き、どんどん宿題は溜まっていきました。

 国語の問題も、一緒にやっていくと、どうも問題文が読めていない。一年生の漢字も読めないものがあり、「忘れちゃったの」と。

 学校が長期に休みになったことで、私はヨシくんが漢字を苦手と思っていることに気づけたのでした。

「うちの子は字が書けない」との出会い

 LD(Learning DisorderまたはLearning Disability)という概念があることは知っていました。広義の発達障害の一種です。その中に、ディスレクシア(Dislexia、読み書き障害)と呼ばれるタイプのものがあります。俳優のトム・クルーズさんがディスレクシアで、台本を覚えるときは誰かに読んでもらっていたそうです。

発達障害の診断は難しく、そもそも一定のボーダーラインはなく、ADHD(注意欠陥多動性障害)なども含めて、全てが自閉症スペクトラムの程度の問題なのだとする考えもあります。

私がディスレクシアのことを知ったのは、「うちの子は字が書けない」という漫画と出会ってからでした。作者の千葉リョウコさんの息子さんは字を覚えるのが極端に苦手で、ディスレクシアと診断されますが、お母さんと一緒に漢字の覚え方の語呂合わせを考えたりして、一生懸命漢字を覚えていくという素晴らしいお話です。


うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます【電子書籍】[ 千葉リョウコ ]

その本によると、ディスレクシアのお子さんは40人に3人くらいはいるそうです。

ヨシくんはそれほどではないのですが、世の中にはそういうお子さんもたくさんいる、ということを知ることができました。

もずさんが動き出した

 ここで動き始めたのが夫でアシスタントのもずさんでした。もずさんも最初はヨシくんの目の前に座って「漢字を書こう!」と頑張らせるスタイルだったのですが、どうもそれが通用しないことが分かったのか、部屋にひきこもって何やら作業を始めました。

 折しももずさんも外出自粛のため、自宅でひきこもり生活。時間はあったようです。

 完成したのは、お手製の「漢字カードゲーム」

 漢字カードひとつひとつに、モンスターの絵と漢字の問題が書いてあり、問題に正解するとモンスターが倒せる、というカードゲーム。

 外出自粛中に、もずさんはそんなものを作っていたのでした(笑)。

 そのゲームを一緒にやっていくと、ヨシくんも楽しそう!

 それに味をしめたのか、もずさんはさらに部屋にひきこもり、次なる作品を・・・

 ほくほく顔で持ってきたのは、なんとお手製の漢字マンガ

 漢字ひとつひとつに、語呂合わせとイラストがついています。

 その後も、お風呂の壁に書けるクレヨンでお風呂漢字練習をしたり、スマホの書道アプリで書道体験をしたり、色々なことを試しながらやっていきました。

 覚えるのにはやっぱり時間はかかってしまいますが、以前のように問題の前でフリーズすることはなくなってきました。

 漢字を覚えるのが苦手な子もいる。でも、工夫次第で楽しく覚えられる!

 そんな体験を皆さんと共有したいと思って、このブログを始めました。

 もし、漢字が覚えられなくて苦しんでいるお子さんや親御さんがいたら、このブログが少しでも助けになれば幸せです。

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